香りと思い出の力~アロマで心が動いた瞬間

こんにちは!
「香りと記憶はつながっている」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
実は、鼻から入った香りは脳の中で記憶をつかさどる「海馬」という引き出しにしまわれます。そして、時間がたって同じ香りを再び嗅ぐと、その引き出しがそっと開いて、香りに関連した過去の記憶や感情がよみがえることがあります。これを「プルースト効果」と呼びます。

たとえば、街でふと香水の匂いを嗅いで「昔の恋人を思い出した」という経験をする方もいるかもしれません。私の場合は、文房具屋さんの手帳売り場にある分厚いビニールカバーの匂いを嗅ぐと、幼いころのプールの記憶がよみがえります。浮き輪やプールバッグの匂いと同じだからでしょうか、母と兄と三人で、当時住んでいた町のプールへ歩いていく光景が鮮やかに思い出されるのです。

アロマハンドマッサージの活動を通じて、このプルースト効果を実感したことがあります。以前、大きな病院や高齢者施設で定期的にアロマのサービスを行っていました。あるとき、高齢のお母様を連れてこられた娘様から、「もうほとんど何もわからなくなっています。嫌がったら中止してください」と言われました。

そのお母様にラベンダーの香りのマッサージオイルを使ってハンドマッサージを始めると、とても穏やかなお顔になり、突然「この香り、ラベンダーね。とってもいい香り。主人が会社帰りによくラベンダーの香りのシャンプーを買ってきてくれたのよ」とお話しされました。離れて待っていた娘様にそのことをお伝えすると、驚きながら「ほとんど話さなくなっているのに」と感動されていました。そのラベンダーの香りが、お母様の中に大切にしまわれていた思い出の扉を開けたのだと思います。

また、別の日には、話すことができないと施設の方に紹介された女性が、マッサージの終わりに小さな声で「ありがとう」とお礼を言われたこともありました。その時も、香りが記憶に触れたのかもしれません。

香りは記憶を引き出すだけではありません。たとえば、「睡眠とリラックスのための香り」をブレンドすると、その香りとともに作った時の記憶も無意識に脳に刻まれます。そして、寝る前にその香りを嗅ぐと、「これは眠るための香りだ」という信号が脳から送られ、香りの成分が持つリラックス効果と合わさって、深い眠りへと導いてくれるのです。

香りは、私たちの記憶や感情、心身にそっと寄り添う力を持っています。そんな香りの世界を、これからも多くの方と分かち合えたらと思います。

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香りと思い出の力~アロマで心が動いた瞬間” に対して2件のコメントがあります。

  1. ひろこ より:

    はじめまして。
    香りと思い出がつながっているのですね。
    施設の女性やご家族の方も、とてもよいお時間になったでしょうね♪
    私も家族に良い記憶を残したいなと思いました!

    1. kurumaru より:

      ひろ子様
      ありがとうございます!五感の中で嗅覚だけがこんなふうに無意識に記憶のひきだしにはいるのだそうです。不思議ですね。ぜひ日々の生活に香りをとりいれてみてください!

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